こんにちは!おべんと君@中小企業診断士改め、おべんと君@原価管理屋です。
今回から、利益に直結するけど詳しく知っている人が少ない原価管理の世界について、実務を踏まえながらお伝えしていきたいと思います。
この記事がお役に立てる方
○原価管理について興味がある方
○原価管理を勉強したい方
原価計算基準とは

「原価」をこれから語るにあたり、原価をつかさどる大事な基準である「原価計算基準」というものがあります。
今回はこの「原価計算基準」の説明をしたいと思います。
これは、1962年に旧大蔵省(現財務省)が公表した、文字通り原価計算を行うための基準を示した会計基準のことで、前文と5つの章で構成されています。
前文 原価計算基準の設定について
第1章 原価計算の目的と原価計算の一般的基準
第2章 実際原価の計算
第3章 標準原価の計算
第4章 原価差異の算定および分析
第5章 原価差異の会計処理
24,000字近い文章で書かれており、全て読むのはなかなか大変です。
簿記1級を勉強していたときに何度か読みましたが、読み切るのはかなりしんどいです。
この原価計算基準は会計基準の1つですが、原価計算基準には他の会計基準と大きく異なる点が2つあります。
- 中間報告として公表された基準であること
- 1962年に公表されてから一度も改正されていないこと
具体的に一つずつ説明します。
中間報告として公表された基準であること
一般的に会計基準は、草案を公開して広く意見を募り、最終的に正式に公布・施行されますが、この原価計算基準は中間報告として公表されて以降、公布・施行のような手続きは取られていません。
しかし中間報告であるにもかかわらず、日本企業はほぼ例外なくこの原価計算基準に則って決算処理を行っており、監査法人もこの基準に則って会計監査を行っています。
中間報告が実質的に正式基準になっている非常に稀な事例です。
1962年に公表されてから一度も改正されていないこと
原価計算基準が公表されたのは1962年11月8日、このブログを書いているのは2025年1月です。
公表されてから62年以上経過していますが、この基準は一度も改正されたことがありません。
1962年という年は、2年後の1964年に東京オリンピックが開催されることに端を発した好景気が始まり、特にテレビ需要が高まった時代です。
翻って現在の2024年は、インターネットの普及により、逆にテレビを持たない世代がいる時代です。
このように時代がとてつもなく大きく変化した62年間であるにもかかわらず、原価計算基準は一度も改正されていないのです。
何というか、会計の世界における生きる伝説みたいな感じですね。
原価計算基準って時代に対応してる?
60年以上改正されていないなんて、なんか原価計算基準って時代遅れじゃね?って感じませんか?
実際に原価管理を行っていると、実は、そのように思うこともあります。
その辺はもう少し後の回で触れていきますね。
原価計算基準のありがたみ

60年以上改正されていない原価計算基準ですが、長らく同じ基準で原価計算されているからこそ、一度原価計算を理解すると、原価計算に関しては基本的にどの会社でも通用する知識を得ることができます。
※IFRS(国際財務報告基準)適用の会社は一部例外
もちろん理論である原価計算基準を実務に落とし込むためには、より深い知識と思考が必要ではありますが、汎用的な知識であることは間違いありません。
これは会計の生きる伝説であるが故のありがたみです。
原価計算基準は生きる伝説

いかがでしたか。原価を計算するための基準である原価計算基準が、会計基準の中でも特異な存在であることがお分かりいただけたかと思います。
- 原価計算基準は旧大蔵省から中間報告として公表された基準であること
- 1962年に公表されてから一度も改正されていないこと
- 原価計算基準の内容を理解すると、どの会社でも通用しやすいこと
生きる伝説、野球でいうところの栗山巧や中村剛也。サッカーでいうところのキングカズ。
次回は、会計の生きる伝説である原価計算基準から生み出される「原価」について、少しずつ説明していきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
以上、おべんと君でした。

