経理のお仕事って?単体決算編

経理01 経理

こんにちは!おべんと君@企業内診断士です。

以前診断士仲間と食事をした際に、「経理部って具体的にどんな仕事してるんですか?」と質問いただきました。

通常、社内で経理部と高い頻度で仕事をする機会はあまりなく、かつ大体経理部からの問い合わせは、

「伝票の数字が間違っていますので修正してください

「○日が提出期限の書類が未提出なので送ってください

のように、ちょっとドキッとする内容ではないでしょうか。

私も経理部に異動する前は、経理部からそういう風に言われると嫌でしたし、逆に経理部に異動した時には依頼する側だったので、

お前さんざん経理に文句言ってたのに今はやらせる側かよ

と同僚に言われたりしておりました。

そりゃ仕事なんだから仕方ないでしょうが・・・と思いつつ・・・

そして経理部のイメージって普段は静かで黙々とパソコンに向かっていてちょっと暗いイメージだったりしますよね。

質問された方は「財務・会計」や「事例Ⅳ」で会計について勉強するものの、実際の会社でそういった知識を活用している経理部の仕事はほとんど知らないので興味があるとのことでした。

そんな経緯から、経理部のお仕事についてブログで書いてみようと思います。

SNSを見ても、簿記取得から経理職になりたいという方も見受けられます。経理系の職種というのはどこの会社にもあります。私も転職活動時は経理職で応募していましたが、経理職の求人は比較的多かったですね。

私は経理部で「単体決算」「連結決算」「法定開示書類作成」に従事した経験がありまして、今回は「単体決算」についてお伝えしたいと思います。

この記事がお役に立てる方
 ○経理職の就業に興味がある方

単体決算の業務概要

書類

単体決算の業務には、大きく分けて以下の項目があります。ネットでは違う分類になっているかもしれませんがご了承ください。

  • 出納業務
  • 記帳業務
  • 決算業務
  • 予算業務
  • 財務業務

一つずつ見ていきたいと思います。

 

出納業務

出納(すいとう)業務とは、現金や預金の入金や出金を正確に記録・管理することを言います。具体的には他部門から依頼される取引先への支払や、営業部門が顧客に販売した商品に対する入金処理を行い、帳簿である会計システムに正しく登録します。

そして毎月、通帳やネットバンキングの預金残高と会計システムの残高が一致しているか、差異の理由は何か、を確認していきます。社内に少額の現金=小口現金がある場合は、実際に金額を確認する実査という行為を行います。

入出金の管理は会社の根本業務なので、ルーティンながら非常に重要な業務です。

 

記帳業務

記帳業務とは、もともとは各種帳簿に取引を記入していくことを言いますが、現在の会社においては、会計システムに日々の取引を登録していく業務になります。仕訳を会計システムに登録することで、仕訳に紐づく各種マスタ情報によって、総勘定元帳や得意先元帳などにデータが記帳されていきます。

 

決算業務

決算業務とは、決算時に計上する決算整理仕訳を行い、社内外への各種財務諸表を作成する業務のことです。会社によりますが、月次では簡易的な決算整理仕訳にとどまりますが、上場会社では四半期で決算情報の開示が義務化されているため、本格的に決算整理仕訳を計上します。

具体的には各種引当金の洗い替え、仮勘定(仮受・仮払等)の振り替え等、を行います。

簿記では減価償却費の計上も決算整理仕訳に含まれますが、固定資産管理システムを使うと、月次で減価償却費を自動計算して仕訳まで取り込んでいたので、私がいた会社では減価償却費は月次で計上していました。

税金に関しては時期によっては未確定ですが、一定の計算根拠に基づいて、税金も計上します。

上場会社では、四半期では決算がまとまった後に、監査法人(公認会計士)の監査を受けます。財務諸表だけでなく各科目の金額を計算した証拠書類も提出し、質問に答えたり致命的なミスは修正する、といったことを行います。

実績をまとめる決算業務に関して、おおよそこういったスケジュールで行います。

時期業務内容
月末~月初いわゆる5伝票(入金、出金、仕入、売上、振替)の処理と締め作業
月初~月中決算整理仕訳を計上して財務諸表を固める
月中~月末経営陣へ財務諸表を報告

ここまでの3つの業務は、いわゆる財務会計・制度会計といわれる、法令に則った処理という側面が強いです。

 

予算業務

予算業務とは、会社の予算や見通しの情報を収集し、財務諸表の形にして経営陣に報告する業務のことです。会社によりますが、私の会社では期首に年間予算を策定し、6月に残り9か月の見通しを作成、9月に残り半年の見通しを作成、12月に残り3か月の見通しを作成、といった形で年間4回予算業務に携わっていました。

こちらも上場会社では適時開示が求められているので四半期で外部公表していましたが、どちらかといえば社内の内部管理数値として用いられていました。ほかの会社でもそういった事があると思いますが、予算審議は結構きつい会議でして、役職者の方々は大変そうでしたね。

将来計画をまとめる予算業務に関して、おおよそこういったスケジュールで行います。

時期業務内容
月末~月初部門から予算・見通し情報収集(売上・限界利益・経費等)
月初~月中部門からの情報精査・各種報告資料作成
月中~月末経営陣へ予算情報を報告

私がいた会社では、実績系と計画系をまとめる担当者は分かれていなかったため、四半期は監査法人による会計監査の時期に、予算・見通し資料も作成していました。瞬間的に地獄の業務量になります。いやほんと。

 

財務業務

財務業務とは、会社の財務基盤を強化するため、外部からの資金調達や運用、配当性向の検討、経営指標(ROA、ROE、ROIC等)の設定、を行う業務のことです。

会社によっては、財務業務は経理部と別部門で運営していると思いますが、私がいた会社では経理部の中に財務部門があり、その部門が財務業務を担っていました。

予算業務は別ですが、会計は過去の数値を処理する業務が中心です。一方財務は未来の数値を算出して戦略を立てる業務です。会計は企業会計原則や財務諸表規則などの法令が基準となりますが、財務に関してはそういったルールは規程されておらず、各社で前提条件から定めていく必要があります。

会計と財務では頭や知識の使い方が違っていて、私の認識では、財務業務が分からなくても会計業務はできますが、会計業務が分からないと財務業務は苦労すると思います(おべんと君の経験則)。

ちなみに診断士の一次試験で「財務・会計」と真ん中に「・」が入っているのは、2つは別物であることを意味しています。実際の業務も関連性はあるものの別物です。

転職などで職種を選ぶ際、会計・経理職と財務職の違いは明確に理解しておきましょう。

 

会計監査

監査

上場会社の場合、四半期(3カ月間)ごとに監査法人の会計監査を受けます。財務諸表はもちろん、決算整理仕訳の根拠資料もごっそり公認会計士に渡して、内容を確認してもらいます。

私の会社では、勘定科目ごとに仕訳を計上する担当者が決まっていました。会計システムに決まった仕訳を登録するだけであればルーティン化できますが、仕訳の説明を監査法人から求められることがありますので、自分が計上した仕訳の意味を理解しておく必要があります。

満遍なく監査されるものの、やはり濃淡はあります。その濃淡も常に変化していきます。私が携わっていた当時は、費用や損失を見込み計上する科目についてはかなり厳しく監査されました。

具体的には「引当金」「評価損」「減損損失」です。

例えば、原価100円の商品を50円で販売すると、50円の損失です。これは納品書や請求書に記載されている金額が「明確な証拠」となります。

一方で引当金や評価損・減損損失などは、社内で定めた一定のルール、「規程」に基づいて、会社が定めた「妥当な計算」によって数値を算出します。恣意的に利益操作できてしまう恐れもあるため、算出根拠資料やその規程の妥当性がそもそも適切か?についても厳しく監査されます。

私も貸倒引当金を担当していた時期がありますが、決算時点で保有している債権を「一般債権」「貸倒懸念債権」「破産更生債権等」に分類し、それぞれに異なる基準で貸倒引当金の繰入もしくは戻入を行う・・・のように簿記で学習することをきっちり行い、その区分の根拠となる証拠書類も準備します。

結構重箱の隅をつつくような指摘もされまして、短気な私としては結構イライラする部分もありますが、会計処理の根拠を調べたりする中で、会計の概念について非常に勉強になりました。

 

転職先での経理知識活用方法

分析

現在私は経営企画の仕事をしていますが、この経理経験は転職先でも非常に活きています。

具体的には2点あります。

 

決算書分析

中小企業診断士の試験勉強で経営分析を学びますよね?その知識をフルに使って経営へ業績分析に関する報告書を作成します。

具体的には、自社や競合の決算書を読み解いて報告する際に、どういう点に主眼を置いて、その場合どういう部分に着目すればいいか、を深堀することができます。

診断士の試験ですと、事例Ⅳで収益性・効率性・安全性・生産性等の観点で財務諸表から経営指標を計算して課題を記述するということを行いますが、その部分をさらに深堀して、その真因や見通しについてまで情報を集めて報告します。

真因を見る際には勘定科目まできちっと見るので、勘定科目の意味や数値の成り立ちが分かっていると分析のスピードが速まります。経理で科目は一通り把握するので、この部分は大変役に立っています。

 

直接原価計算方式のPL

当社では基幹システムのリプレイスに合わせて直接原価計算方式のPLを導入しようと考えており、経営企画職として、どのようなPLの書式にするか、変動費固定費の区分はどうするか、セグメントはどのように区分するか、などを私が主担当で考えていますが、説明や提案をするときに大いに役立っています。

具体的には膨大なエクセルデータから直接原価計算方式のPLを一から作っています。前の会社でも直接原価計算方式のPLを作っていたので、非常に役に立っています。

 

まとめ

電卓計算

いかがでしたでしょうか。経理や会計はどの会社でも汎用的に活用できる知識のため、企業内や独立に限らず中小企業診断士として、ひいては社会人として必要な知識だと言えますね。

ちなみに企業内の方は、経理部から、「数円単位で差異があるから確認していただけませんか」といった問い合わせを受けたことありませんか?いやいや、だったらその数円俺払うよ、みたいな・・・

経理部の人も、「数円の差異くらいいいじゃん」と思っている方は、きっといると思います(私もそうでした・・・)。

ただ上述したように、会計監査で差異の説明が求められる場合があり、数円でもきっちりせざるを得ないという裏事情もありますので、この点は今後ご理解いただいた対応をしていただくと、経理部と関係性が構築できるかもしれません(知らんけど)。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

以上、おべんと君でした。